「12月、山口市はクリスマス市になる。」の取り組みが本格的に始まったのは、2008年。2006年に、スペイン・ナバラ州から、山口市が「日本のクリスマス発祥の地」であることの認定を受けたことを契機に、商工会議所や関係団体が牽引役となり、12月に、中心商店街などでコンサートやイルミネーション、資料展示などが行われ、その後、サビエルと大内義隆との出会いと「きずな」をテーマに掲げた市民参加のイベントとして発展していきました。
そうした流れの中、12月1日のオープニングセレモニーをサビエル記念聖堂でできないだろうか、との声が市民の間に高まり、教会への打診が始まりました。セレモニーの内容は、一般市民が対象であり、祭壇に一般の歌手が上がることへの抵抗感や、不心得な観客が来るのではないかという懸念から、当初、教会側は消極的でした。同様に、行政や商工会議所も教会との距離感にはとても慎重な姿勢でした。
2012年、渋々教会が「場所貸し」という形でセレモニーを受け入れたものの、信徒と市民の間にはわだかまりがありました。しかしながら、市民ボランティアの献身的な働きぶり、聖堂への崇敬を忘れない観客の振る舞い、アーティストの真摯な姿勢と美しい歌声は、教会側の見方を少しずつ変えていきました。
また、市民と教会信徒によるセレモニーの実行委員会が設置され、双方の考えや立場の違い、共に目指す方向性などが共有できるようになりました。その結果、セレモニーの内容も、聖歌隊や神父様によるお話など、教会がより積極的に関わる形となり、より充実していきました。
そしてついに2017年、聖堂前広場では、地元企業や市民グループの主催で、現在の「やまぐち光誕祭」が始まったのです。